【豆知識】失敗しやすいクリニックの継承とは?

第三者へのクリニックの医業承継は、思いもよらない失敗の種をはらんでいます。これまでの経験を元に、主な失敗の原因について列記してみます。

コミュニケーション不足と信頼感が築けない

・譲渡側、承継側の双方の秘密保持順守への不信感
・譲渡側、承継側の当事者間にて、(心根で)売ってやる!買ってやる!の気持ちが生じる

親族の意思確認不足

・親族に医師がいる場合、継承する意思がないのかの未確認
・譲渡側(家族・従業員含む)、継承側(家族含む)の当事者間の意思確認の怠り(本音の部分)

診療方針の相違

・譲渡側の診療方針等を頑なに維持するよう求める
・継承側が、譲渡側の診療方針を受け入れない

譲渡希望金額や時期の相違

・譲渡側の希望譲渡額の下限額(高額な営業権)の設定、支払い時期の猶予なし

備品や保証金など承継後の帰属があいまい

・医療機器・器具備品等の帰属の曖昧
・テナントの場合、保証金・家賃等の未確定(オーナーからの契約変更等)
・診療所内の修繕費の負担等の帰属の曖昧

書類や周知の不備

・継承に係る契約書類の整備の不備
(診療所の概要、財務、行政への各申請書類、人事労務、各取引契約書類等)
・承継時期及び関係各所への周知の確認不備

 

たくさんあるなぁ、と思われたかもしれませんが、上記にあげた例は実は、ほんの一部なのです。

他人同士の承継だからこそ、明確にしておくべきことは書面で明示し、また本音の部分をお互い話し合うことで、信頼関係を醸成することがなにより成功への近道となります。

なぜこのようなことをお伝えしているかといいますと、医業M&Aは、譲渡することがゴールではないと考えているからです。

お互い納得のうえでM&Aを実現し、そして実現したあとも医院の経営が安定して、かかりつけ医院として、地域の医療を継続的に支えていくことができることがもっとも重要なことであると考えるからです。